この記事はこのような方に向けて書いています↓
一級建築士を独学で勉強する際のスケジュールを知りたい!
一級建築士を独学しているけど、時間がなかなか作れない・・・
モチベーションが続かない・・・
この記事の筆者は、2020年の学科試験で105点(125点満点)を獲得し、合格しています。合格点は88点でしたので、17点の余裕をもって合格しています。
学習期間は1年程度。
初年度の製図試験は不合格。2度目の製図試験で合格しました。
筆者は資格学校に通っていましたが、通った筆者だからこそわかる情報を解説します。
独学での勉強だと不安がある人には、以下の記事が参考になります。
10万円以下の通信講座もあります。
一級建築士の独学には、模試の活用が重要です。模試についての記事もあるので参考にしてください。
【前提】学科の独学はお勧だが、製図の独学はおすすめしない
学科試験については、勉強時間を確保しやすい人、勉強が得意な人、計画性がある人は独学でも合格できる可能性が十分にあります。
詳細については、この記事をご覧ください。一級建築士の学科の独学に必要な素質を解説しています。
学科試験の独学は現実的に可能ですが、一方で、製図試験に独学で一発合格したり、独学で1~2年の短期で合格するのは無理です。
普段から、業務等でめちゃくちゃタイトな納期の設計をしまくっていて、天才レベルのプランニング能力やセンスを持っている人や、もしくは、学科試験後から製図試験までの3か月間、毎日6時間半(←設計製図試験の試験時間)の演習をできるような根性のある人なら合格できるかもしれませんが、そんな人はあまり居ないと思います。
製図試験の独学をおすすめしない理由は、以下の通りです↓
- 試験に明確な正解がない
- 独学では、経験できるミスに限りがある
- 単純に難しい:学科に合格した20%の人が受けても、その半分も合格しない
- 受験者に過年度生(前年の製図試験の不合格者)がいる:学科に受かれば、製図試験を3回まで受けることができるため
- チャンスが3回しかない
詳細:【一級建築士製図】製図試験の独学は無理(ありがちなミスとポイントも紹介)
このような理由から、学科試験の独学は可能ですが、製図試験の独学はおすすめしません。
そのため、この記事では、学科試験を独学する際のスケジュールについて解説します。
製図試験については、資格学校等を利用し、そのカリキュラムに従ってください。
参考1:一級建築士 設計製図試験に合格する人の、たった1つの特徴
製図の資格学校に通っている人でも、独学で行く人にも役立つ記事を書きました↑
製図試験の勉強を始める際に参考にしてください↓
【独学者必見】一級建築士学科試験に合格するためのスケジュール、勉強の順番を紹介
一級建築士学科の独学に必要な時間は1,000時間
一級建築士の独学に必要な学習時間は1,000時間と言われています。
筆者は資格学校に通いましたが、それでも1,000時間以上は勉強しましたし、周りの合格者もそのくらいは勉強していましたので、独学ならなおさら1,000時間は確保するつもりでスケジュールを立てるべきです。
具体的におすすめなのは、平日に2時間、土日にそれぞれ5時間勉強することです。
1年弱(350日)で1,000時間に達する計算です。
また、ネット上では1,000時間未満の時間で学科試験に合格した記事も一定数ありますが、最初は1,000時間かかるものとして計画した方が絶対に良いです。
500時間くらいで受かる人がいるのも事実ですが、1,000時間くらいかかった人の方が多いですし、結果的に500時間くらいで受かった人でも、最初は1,000時間勉強するスケジュールを立てていた可能性が高いです。
1,000時間確保する計画で勉強していれば、途中で余裕が出てきたら勉強のペースを落とすことができますが、最初から勉強時間を400時間しか確保しない計画を立てて、直前期で勉強時間が足りないのに気づくのは悲しすぎます。
とはいえ、仕事が忙しく時間を確保できない人、モチベーションが続かない人もいると思うので、時間を確保する方法、モチベーションを保つ方法を、次章以降で紹介します。
具体的な勉強法は、以下の記事を参照してください。
【独学者必見】一級建築士学科の勉強方法・内容(本当に過去問だけ?)
ざっくり説明すると・・・
- 一級建築士試験は学科(計画、環境・設備・法規、構造、施工)と製図がある
- 過去問を中心に勉強すれば合格可能
- ただ、過去問の選択肢がなぜ〇なのか、×なのかといった背景を理解するため、また、一級建築士の勉強を始めるときの導入としてテキストがあった方が便利
- 一級建築士学科試験は四肢択一式の試験だが、過去問演習をするときは、1つ1つの選択肢の〇×を判断して、〇×の判断の根拠を確認していくような勉強の仕方をする。
- 模試は必ず受験するべき
一級建築士学科の勉強の順番
一級建築士学科の勉強の順番は、「法規」「構造力学(構造の計算問題」→「環境設備の環境分野」→「環境設備の設備分野」「計画」「施工」「構造の文章題」です。
理由は、以下の通りです。
- 配点の高さと、記憶の定着のしやすさから、法規と構造は早めに取り掛かって完璧にしておくべき
- 原則、「理解型の科目」を先に勉強した方が効率が良い
- 「構造の文章題」の半分以上の問題は「構造力学」の問題が理解できれば正答できる
まず、一級建築士試験学科の配点は、計画20点、環境設備20点、法規30点、構造30点、施工25点です。配点の高さからも、法規と構造は早めに取り掛かって完璧にしておくべきです。
次に、建築士試験の科目には、解き方の理解が多い「理解型」の科目と、知識の暗記が多い「暗記型」の科目があります。
「法規」と「構造力学」は前者、「環境設備の設備分野」と「計画」「施工」「構造の文章題」は後者の傾向が強く、「環境設備の環境分野」はその中間です。
原則、理解型の科目を先に勉強した方が効率が良いです。
その理由は2つあります。
- 理解型の科目は、暗記型の科目と違って、解法を一度身に着けてしまえば時間がたっても忘れにくく、記憶に定着しやすい。
- 暗記型よりも理解型の方が、身に着けるのに時間がかかる。(正確に理解するのが難しく、時間をかけて理解する必要があるため)
これらの理由から、理解型の科目である、「法規」と「構造力学」は一番最初に勉強するべきです。
法規と構造力学ほど配点は高くないものの、他よりも理解型の科目の傾向が強い、環境設備の環境分野は、法規と構造力学の次に優先して早めに着手すべきです。
ちなみに、構造力学については先に勉強するべき理由がもう1つあります。その理由は、「構造力学」で覚えた解き方を応用することで、「構造の文章題」を理解しやすくなることです。
「構造の文章題」の半分以上の問題は「構造力学」の問題が理解できれば正答できます。
【↓各科目別の勉強法等↓】
法規↓
構造↓
【一級建築士】構造力学の勉強法と超基本を解説(点数UPに直結)
施工↓
法規と構造力学は、万点が狙えるレベルまで仕上げるが、計画は点数が安定しにくいため力を入れすぎない
法規と構造力学は、満点が狙えるレベルまで仕上げましょう。
法規と構造力学は、配点が大きいため得意科目にすれば有利ですし、問題数をこなして解き方を理解すれば、他の暗記型の科目に比べて安定した点数を期待できます。
「計画」については、どれだけ勉強して暗記しても、今まで見たことのない問題が本試験で出やすく、点数が安定しにくいです。(他の暗記型の科目も同じですが、「計画」は特に安定しにくい)
筆者も、「計画」の建築作品についてたくさん勉強し、模試での点数はそこそこでしたが、勉強したことのある作品についての問題が、本番では1問しか出ず、満足のいく点数は取れませんでした。
それでも法規と構造で高得点が取れたため、合格できました。
筆者の周りでも、法規と構造の点数が低いのに学科試験に合格した人は1人も知りません。そのくらい法規と構造は大事です。
ですので、「計画」よりも「法規」と「構造」を完璧にする方が絶対におすすめです。
とはいえ、「計画」の点数が低すぎたら足切りで不合格になりますので、「法規と構造に比べて優先順位が低い」程度に考えてください。
資格学校の模擬試験を受けよう
資格学校の模擬試験を受けることで、試験の雰囲気を少しでも味わい、自分の立ち位置を知ることができるので、資格学校の模擬試験は必ず受けましょう。
資格学校の模試は、一般的に問題が本試験より難しめに作られているため、点数が悪くても落ち込まないようにしましょう。
間違えた問題(特に全受験生の正答率が50%を超えているもの)は、あなたの苦手分野ですので、必ず復習して苦手をつぶしましょう。
詳細:【一級建築士 独学】模試を受けよう!メリットと注意点を解説
直前期には、3年前~5年前の試験の過去問と、問題集(テキスト)の頻出問題を完璧に仕上げる
直前期には、3年前~5年前の本試験の過去問と、問題集(テキスト)に収録されている頻出問題や重要問題を何周も繰り返し解いて完璧に仕上げましょう。
(テキストか問題集のどちらかに、高頻度で出題される選択肢をまとめたページがあるものを取り入れましょう)
本試験の問題のほとんどには、過去に出題された選択肢や、過去に出題された選択肢の言い回しを変えた選択肢が含まれています。
これらの選択肢は、3年前~5年前の本試験の過去問に多く含まれています。
また、問題集(テキスト)に収録されている頻出問題(重要問題)も、出題確率の高い選択肢(過去に多く出題されている選択肢)がまとめられています。
こういった問題を何周も繰り返し解いて完璧にすることで、確実に点数が上がります。
モチベーションが高まり記憶にも残りやすいので、試験直前期はこういった問題を何周も繰り返し解きましょう。
逆に、難しめの問題(出題頻度の低い問題)は、解けなかったときにモチベーションが下がるので、試験直前期には解かない方が良いです。
お勧めの教材については、以下の通りです↓
資格学校が授業で用いている教材が手に入れば一番ラッキー(法令集以外は最新でなくてもOK)
詳細:【一級建築士の独学】おすすめテキスト・問題集(最低限必要なもの)
【一級建築士試験】モチベーションを保つ方法
1,000時間もの学習時間をこなすのは辛いと思います。上手くモチベーションを保って乗り切りましょう。
- 受験する目的を明確化しよう
- 模試を受けよう
- 重要問題を何周も繰り返し解こう
- 周りの人(同僚や家族友人)に、受験することをアピールしよう
- 時には息抜きも大切
受験する目的を明確化しよう
何事も、目的がしっかりしている人ほど、目標を達成しやすいです。
あなたが一級建築士を目指し始めた理由は何でしたか?思い出してみましょう。
一級建築士の資格を取ることで受けられる恩恵と、一級建築士を取得するためにかかる料金や労力を比較して、割に合わないようであれば、そもそも一級建築士を取る必要がありません。
モチベーションを上げるためにも、お金や労力を犠牲にしてでも一級建築士を取る価値があることを再確認しましょう。
別の記事で、一級建築士の難易度と、難易度が高くても一級建築士を取得したほうが良い理由(メリット)を解説しています。
ざっくり説明すると、こんな感じです↓
模試を受けよう
苦労して模試の点数が上がればモチベーションになりますし、模試の点数が低ければ自分にプレッシャーをかけることができます。
また、他の受験生と比べた自分の立ち位置を正しく認識することができます。
(詳細:【一級建築士 独学】模試を受けよう!メリットと注意点を解説)
重要問題を何周も繰り返し解こう
一番早く点数が上がるのがこの方法です。
点数が伸び悩んだ時は苦手科目の重要問題を繰り返し解けば必ず点数が上がるので、メンタルを健康に保てます。
ただし、この方法は、一番メンタルに負担がかかる直前期に取っておいても良いかもしれません。
周りの人(同僚や家族友人)に、受験することをアピールしよう
「時間の作り方」のセクションでも書きましたが、周りの人に応援してもらいやすく、自分に対してのプレッシャーにもなるので、モチベーションが上がりやすいです。
時には息抜きも大切
頑張りすぎたらメンタルが参ってくるので、月に1回くらいは好きなことをして休みましょう。
大切なのはメリハリですので、小休憩のつもりがズルズルと時間を無駄にしてしまうことがないように、時間を決めて休憩したり、休養日を自分で決めて、それ以外の日は勉強を頑張るようにしましょう。
休憩を取る際は、休憩後の勉強をすぐに始められるような準備をしてから休憩に入ることをお勧めします。(次に勉強する問題集と解答用紙、筆記用具をを机の上に準備しておく等)
休憩後に勉強を始めるためのトリガー(きっかけ)を自分で仕掛けておくことで、勉強を再開しやすくなります。
休憩の内容は、体を動かすのが一番おすすめです。スポーツをしたり、外を散歩するだけでも気分転換になります。
時間を作る方法
建築業界はブラックな会社が多い印象なので、時間をなかなか作れないサラリーマンの方も多いでしょう。
ここでは、私が実践していた、時間を作る方法を紹介します。全部、かなりおすすめの方法です。
- 会社で勉強する
- 間違えた問題を写メにとり、隙間時間に眺める
- 移動時間に音声を聞く
会社で勉強する
メリットは3つあります。
- 一級建築士試験を受けることを他の社員に見せつけることができるので、良い意味で自分に対してのプレッシャーがかかります。
- 一級建築士の受験に向けて頑張っている姿を他の社員や上司に向けてアピールすることができるので、応援してもらいやすくなり、過度に仕事を振られにくくなります。
- 自宅よりもテレビやゲームの誘惑がない状態で勉強でき、仕事モードからスムーズに勉強モードに切り替えられます。
間違えた問題を写メにとり、隙間時間に眺める
遊びに行ったときの待ち合わせ時間などに気軽に眺めることができ、短時間の隙間時間にも対応できます。
ただし、周りの人には勉強しているように見えにくいため、勉強していることをアピールしたい場合には不向きです。
移動時間に音声を聞く
車や電車で移動する際に、音声を流しっぱなしにして学習します。(※くれぐれも安全運転には注意してください)
筆者もそうでしたが、移動時間が長い人に向いています。
方法としては4つあります。
- YouTubeで公開されているコンテンツを利用する(「一級建築士 聞き流し」等で検索)
- 自分で録音するか、知人に録音してもらう(「選択肢の文」と「答え(〇か×)」を録音すればよい)
- 通信講座を聞く
- 資格学校配信しているMP3音声を使う(資格学校に通っている人にしかできないかも)
一級建築士に合格しやすい人の特徴と、勉強をするときのマインド
現在一級建築士の勉強をしていて、挫折しそうな人は、以下に挙げるような、合格しやすい人の特徴と、勉強するときのマインドを参考にしてみてください。
詳細:一級建築士学科試験に合格する人の特徴(勉強するときのマインドも)
独学だと不安な人におすすめの通信講座(10万円以下の講座も)
スタディング | 資格の学校TAC | 総合資格学院 | 日建学院 | 全日本建築士会 | |
学科の金額 | ◎ | ○ | △ | △ | ○ |
製図の金額 | ◎ | ○ | △ | △ | ○ |
講座の質 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
スキマ時間活用 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ |
製図の添削 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
通学できるか | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
学科講座 総合評価 | ◎ | ○ | △ | △ | ○ |
製図講座 総合評価 | △ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
参考記事:【一級建築士】好コスパおすすめ通信講座・予備校を比較(ランキングで紹介)
独学に行き詰った人、独学だと不安な人には、スタディングがおすすめです。
10万円以下で効率よく、一級建築士の合格に必要な知識を学べます。
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詳細:【一級建築士】好コスパおすすめ通信講座・予備校を比較(ランキングで紹介)
まとめ
本記事のまとめです
- 一級建築士学科の独学に必要な時間は1,000時間
- 一級建築士学科の勉強の順番は、「法規」「構造力学(構造の計算問題)」→「環境設備の環境分野」→「環境設備の設備分野」→「計画」「施工」「構造の文章題」
- 時間を作り、モチベーションを保つための工夫をしよう
これからも一級建築士試験の勉強に役立つ情報を発信します。一緒に頑張りましょう。
独学での勉強だと不安がある人には、以下の記事が参考になると思います。
10万円以下の通信講座もあります。
一級建築士の独学には、模試の活用が重要です。模試についての記事もあるので参考にしてください。
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