この記事はこのような方に向けて書いています
- 「大学で建築を学びたい!」
- 「大学選びで悩んでいる」
本記事では・・・
- 大学選びのポイントと、その理由を紹介します
- 見落としやすい注意点もあわせて紹介します。
大学の建築学科を卒業後、社員数1万人程度の企業で楽しく働いており、2021年に一級建築士試験に25歳で合格した筆者が解説します。
正直、建築を学ぶのにおすすめの大学はどこかと聞かれれば、知名度・権力・難易度がトップクラスである東大、京大、東工大、横浜国立大、東京藝術大、早稲田大などをお勧めしたいところです。
しかし、選び方のポイントを知っておいた方が個々の事情に対応できると思うので、この記事では大学選びのポイントを紹介していきます。
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ポイント1:三大都市圏の大学がおすすめ
建築を学びたい人が大学を選ぶ際に一番おすすめしたいのが、都市圏の大学を選ぶことです。
具体的に言うと、東京、神奈川、千葉、大阪、京都、神戸(兵庫)、名古屋です。
その中でも、有名建築の多さ、有名大学の多さ、各地へのアクセスのしやすさがトップである東京が一番おすすめです。
理由①:都市部には有名建築が多い
都市部では、アクセスしやすい場所に多くの有名建築があるので、田舎に比べて断然見学に行きやすいです。
建築を学ぶ上で、良い建築物を見るのは大変重要なことです。
建築や都市計画に関する面白い取り組みをしているところも、都市部が多いです。
一級建築士試験に出題されるような作品も都市圏(特に東京)にあるものが多くなっています。
理由②:国内・海外の両方にアクセスがしやすい
三大都市圏に住んでいると、国内と海外の両方に安い金額でアクセスしやすくなります。
例えば九州から石川県の金沢に行こうとすると、飛行機を使った後にバスや電車に乗り継いで行かなければなりませんが、東京に住んでいれば新幹線一本でいくことができます。
このように、国内で三大都市圏からの方がアクセスしやすい場所がたくさんあります。
また、都市圏以外との差が特に顕著なのが、海外へのアクセスです。
三大都市圏には、日本の主要な国際空港である、東京国際空港、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港があるため、海外へのアクセスが他の地域と比べて断然しやすくなります。
また、これらの空港はLCCの発着も多いため、海外や国内旅行のコストも安く抑えやすくなります。
理由③:知名度や権力が強い大学が多い
三大都市圏には知名度や権力が強い大学が多いです(特に関東)。
- 東京大、東京工業大、東京藝術大、早稲田大、横浜国立大→首都圏
- 京都大→近畿圏
当然と言えば当然ですが、大学の数自体が多いので、その分知名度や権力が強い大学も多いのです。
有名大学に合格できるのが一番良いのでしょうが、合格できなくても、都市圏の大学に行けば自分の意思次第で、有名大学を含むいろんな大学の学生と交流したり、それらの大学の展覧会等を見に行ったりしやすくなるため、自分のレベルを上げやすくなります。
ポイント2:一級建築士を輩出している大学を選ぼう
理由:一級建築士試験の受験資格を得るのに必要な科目を履修できる必要がある
公共性の高い建物や、ある程度の規模の建物の設計をしようとすると、一級建築士の資格が必要となります。
小規模な建物専門で作り続けるのであれば、資格なしや二級・木造建築士でやっていく方法もありますが、建築を学びたい人だったら、どちらかというと一級建築士取得を目指す人が多いのではないでしょうか。
例えば「建設学科」みたいな名前の学科があったとしたら、そこでは一級建築士試験の受験資格を得るのに必要な科目を履修できない可能性があります。
一級建築士を目指せる大学かどうかを調べるためには、建築技術教育普及センター(←試験の実施者)のホームページで、大学別の一級建築士合格者数の一覧が出てくるので、見てみましょう。
(参考:試験元が公開している情報。一番下の表が大学別の合格者数です)
ある程度の数の合格者数がいる大学であれば、一級建築士試験の受験資格を得られる科目を履修できると考えてよいでしょう。
もし、興味がある大学の、一級建築士試験の合格者が少ないようだったら、大学のホームページをよく読んで、その大学で一級建築士試験の受験資格を得られる科目を履修できるかどうかを確認したほうが良いでしょう。
ただ・・・一級建築士の輩出数さえ多ければ良いという話ではない
大学別の一級建築士合格者数の一覧で、合格者数が上位の大学が、必ずしもレベルの高い大学というわけではありません。
在籍する学生数は大学によって大きく異なるため、当然在籍数が多く、卒業した学生数が多い大学の方が、一級建築士試験の合格者が多くなります。
例えば超一流大学の東京藝術大学は、建築学科の一つの学年の定員が15人のため、卒業生の数、一級建築士試験合格者の数も必然的に少なくなります。
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ポイント3:自分の興味ある研究をしている教授がいる大学がおすすめ
理由:3年生か4年生になったら1人の教授の下で研究生活が始まるため
たいていの大学では、大学の3年生か4年生になったら、研究室に在籍して研究をして、研究内容をもとに卒業論文を書かなければなりません。(例えば鈴木先生が面倒を見てくれる研究室は「鈴木研究室」となります)
もしも自分の興味のある研究をしている教授がいない大学を選ぶと、在籍する研究室を選ぶ際に悩むことになったり、全然興味のない内容を研究する羽目になったりします。
理由:大学の特色を知るため(※デザイン特化の大学と工学特化の大学がある)
建築を学べる大学には、大学によって特色があったりします。
例えば、藝術大学や美術大学はデザイン系の分野を得意としている場合が多いです。
一方、工業大学は工学分野を得意としていることが多いでしょう。
大学の教授の研究内容を調べておくことで、ある程度その大学の特色がわかります。
また、有名な教授は、企業に対して強いコネをもっていて、自分の研究室の生徒をコネ入社させることができる場合があります。
そのため、自分の興味ある分野を得意とする教授の研究室に在籍できれば、将来的に自分の興味のある仕事に就職しやすくなったりします。
注意! 教授はいつか退官する。それを考慮に入れよう。
当然ですが、教授もいつかは歳を取って退職します。
自分が研究室に在籍する前にお目当ての教授が退職した!なんてことがないようにしましょう。
ポイント4:もちろん大学の知名度も大事
理由:当然だが、知名度や難易度が低い大学は就活に不利
日本では、出身大学によって就職しやすくなったり就職し辛くなったり、ということが結構あります。
企業に特定の大学のOBがたくさんいる場合、(古い価値観の企業や団体の場合、)同じ大学出身者の方が就職しやすかったりします(学閥といいます)。
また、知名度が高い大学は入学の難易度が高い大学が多いので、知名度が高い大学出身者の方が、採用担当者に「最低限の努力ができる人材」と思ってもらえる場合が多くなります。
大学に行くメリットは「いろんな人と出会える」「就職しやすい」「高度なことが学べる」だと思います。
知名度が高く難易度が高い大学の方が能力が高い人と出会いやすいし、就職に有利になりやすいし、高度なことが学びやすいです。
どこの大学でも結構な額の学費がかかるので、どうせなら自分が目指せる中で一番知名度が高く難易度が高い大学を目指すようにしましょう。
まとめ
- 建築を学んだり一級建築士を目指したりするなら三大都市圏の大学がだんぜんおすすめ。
- 建築技術教育普及センターのホームページで、大学別の一級建築士合格者数の一覧を見れます。一級建築士を目指す場合は、大学選びの参考にしましょう。
- 建築デザインが強い大学と建築工学が強い大学がある
別の記事で、建築の仕事の魅力や、一級建築士の難易度、なり方について解説していますので読んでみてください↓
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