この記事はこのような方に向けて書いています↓
一級建築士の学科には受かったけど、製図試験のコツがいまいちつかめない
一級建築士の製図の勉強をしているけど、他の人に比べてうまく解けていない気がする
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一級建築士の製図試験で一発アウトのミスまとめ-独学だと気づけないかも-
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この記事の筆者は、2020年の学科試験で105点(125点満点)を獲得し、合格しています。合格点は88点でしたので、17点の余裕をもって合格しています。
学習期間は1年程度です。
初年度の製図試験は不合格。2度目の製図試験で合格しました!
独学での勉強だと不安がある人には、以下の記事が参考になります。
二級建築士 設計製図試験対策の学校・通信講座選びで悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください。
10万円台で、充実した図面添削が受けられる講座もあります。
【結論】一級建築士 設計製図試験に合格する人のたった1つの特徴は、「本番と練習で解き方を変えない」
一級建築士の製図試験では、「早い段階で自分の解き方を確立し、本番でも問題演習時でもその解き方を死守する」(=毎回同じ解き方で解く)ことが何よりも重要です。
つまり、問題の内容に合わせて臨機応変に対応しようと思ってはいけないということです。
これって結構難しくて、本番だと時間に追われていたり緊張していたりするせいで練習の時にはしていなかったような解き方をしてしまって、それが原因でミスしてしまうようなことがよくあります。
そのため、問題を解くときの手順をルーティンとして細かいところまで決めておく必要があるわけです。
もちろん、いきなり最初からルーティンを確立できるわけはありません。
最初は市販の教材、資格学校やこのブログで紹介される解き方を身に着けて、その解き方で問題演習を繰り返しつつ、解き方を自分用に微調整していきます。
そして試験前2週間くらいまでには自分なりの解き方を確立し、それから先は問題文が変わっても解き方は変えないようにして、解き方を体に染み込ませるのです。
具体的には・・・↓
- 問題文の読み取りでは、問題文を読む順番、線引きのルールを自分なりに決めて、それを問題演習時でも本番でも死守する
- エスキス時には、検討する内容や順番のルールを自分なりに決めて、それを問題演習時にも本番でも死守する
例:北側斜線の検討が必要な場合は「北側斜線:~(ヘリ空きの算定の式)」を書くが、北側斜線の検討が不要な場合でも、「北側斜線:ナシ」とエスキス用紙に書く - 作図時には、線を引く順番、どんな線を定規で引いてどんな線をフリーハンドで引くかなどのルールを自分なりに決めて、それを問題演習時にも本番でも死守する
- 中間チェック時、最終チェック時にはどの項目をどの順番でチェックするかを自分なりに決めて、 それを問題演習時でも本番でも死守する
「毎回同じ解き方で解く」 ことができるかどうかで、製図試験に合格できるかどうかが決まります。
一級建築士製図試験で毎回同じ解き方で解くことが必要な理由
本番はテンパるから、臨機応変に解くことはできないと考えた方が良い
どんなに練習していても、本番ではテンパる人が多いです。
なぜテンパるかというと、本番の方が記述に時間がかかったり、問題文の中に練習したことがない要素が入っていたりと、受験生をビビらせるような仕掛けが入っていることが多いからです。
そんな時、臨機応変に対応しようと考えていると、重大なミスに気付かなかったり、考えるのに時間がかかってチェック時間が十分に取れなかったり、、、ということが起きます。
そのため、本番は臨機応変に対応しようとせずに、練習の時と同じ解き方、順番で解くことで、そういったミスや時間のロスを減らすことに繋がります。
それができるようにするために、練習の時から、どんな問題にでも対応できるような解き方を体に染み込ませておく必要があります。
たまにしか出てこない要素が多いから
製図試験では、たまにしか出てこないような要素が結構あります。
このような、たまにしか出てこない要素に対応するには、以下に示すような対応方法を練習の時から考えておき、問題を解くプロセスの中に組み込んでおく必要があります。
同じ解き方を繰り返して体に染み込ませる方が、早く解ける(迷っている時間が勿体無い)
毎回臨機応変に解き方を変えていると、解くのに時間がかかってしまいます。
自分の解き方を確立して身に着け、毎回同じ解き方で練習することで、だんだんと問題を早く解けるようになっていきます。
毎回同じ解き方で解くことができるようになるまでのイメージ
資格学校や市販の教材などを参考にし、基本的な解き方、解く順番を暗記する
まずは資格学校で教えられる解き方、市販の参考書に書いてある解き方を暗記します。
自分なりの解き方を確立する前に、まずは型を身に着けることが重要です。
そのとき、各プロセスの意味を考えたり調べたりして理解するようにするとさらに良いです。
小さな発見を重ねていく
暗記した解き方で問題演習や作図練習を繰り返していく中で、自分のミスが起きやすい場所や、「〇〇な時はこんな解き方、描き方をした方が早い」などの気づきがあるはずです。
資格学校等に通っている人は自分のミスだけでなく、他人のミスも把握することができるでしょう。
そういったミスを防ぐ方法を自分で考えたり、「 〇〇な時はこんな解き方、描き方をした方が早い 」と気づいたりしながら、暗記した解き方を自分用にアップデートしていきます。
資格学校に通っている人は、同じ教室の生徒や先生に相談してみてもよいでしょう。
このプロセスがとても大事です。
解き方をルーティン化し、練習を繰り返すことで頭と体に叩き込む
練習量をこなすことで、暗記した解き方や、それをアップデートした解き方を、自分の頭と体に叩き込んでいきます。
解き方を頭と体に叩き込むことで、本番に緊張していても、習慣として確立された解き方で戦うことができ、早く解けミスも少なくなります。
エスキスも作図も、量をこなせる人の方が、気づきを得て解き方のアップデートをするにも、それを頭と体に染みつけるにも有利です。
どうにか時間を確保して、練習量を確保しましょう。
基本的な知識を身に着けていく
問題演習を始める前に、または問題演習をしながら、最低限必要な知識は、参考書や資格学校のテキストから身に着けておきましょう。
また、問題演習をしていく中で、「〇〇の寸法って〇〇mmで足りるのだろうか...」などの疑問が出てくることも多いと思います。
そういった場合は、過去問と解答例を見る、資格学校の先生や同じ教室の生徒に聞く、ネットや書籍を利用して調べる等して徹底的に調べましょう。
そうやって身に着けた知識が積み重なることで、本番にミスをしにくくなり、自分がしてしまったミスにいち早く気付けるようになります。
一級建築士製図試験での各プロセスでのコツ(毎回同じ解き方で解くためには)
この章では、各プロセスのミスを少なくし、スピードを上げるためのコツを説明します。
どんなプロセスがあるのか
問題文の読み取りとマーキング のコツ
試験の合否は読み取んりの時点で決まります。
十分に時間をかけましょう(30分程度)
読み取り時に重要な条件を見落とせば、その後のプロセスで気づくことはめったにないため、高確率で不合格になります。
読み取り時には気づいている内容でも、エスキスの時点で忘れてしまうともちろん不合格になるので、読み取った条件をエスキス時に思い出せるような工夫が必要です。
問題文は隅から隅まで、まっさらな気持ちで読む。隅々まで読んだ後、一度問題文を遠くから眺めてみる
問題文は隅から隅まですべて、昔解いた問題の条件に引きずられずにまっさらな気持ちで読みます。
どんなに小さな字で書かれていても、目立たない位置に書かれていても、重要な要素を読み落とすと一発不合格になります。
また、昔といた問題の条件に引きずられて条件を読み間違えるようなミスもよく起きます。
隅々まで読んだ後にいったん冷静になって問題文を顔から離して遠くから眺めてみると、読み忘れている(マーカーし忘れている)箇所に気づくことがよくあります。
マーカーでの色分けは2~3色程度。見直しのタイミングによって色分けする。
作図後に見直しする箇所と、エスキス後に見直しする箇所では色を変えてマーキングします。
エスキス中に見直しすべき箇所とエスキス後に見直しする箇所についても色分けすると、さらにチェックをしやすくなります。
わかりにくい位置に書いてある条件は、わかりやすい位置に転記する
これ、超重要です。
これをやるだけで、読み落としが激減します。
例えば、要求室表に書いてある条件の中で、吹き抜けやトップライトの要求や天井高の指定などの、建物のプランに大きな影響がある(1つのフロアだけでなく複数のフロアに影響が及ぶ)要素があればエスキス用紙の一番上に目立つ字で書き出しておきます。
また、例えば要求室表のカフェの欄に、「屋外のカフェテラス(100㎡以上)と一体的に用いる」等の記載がある場合は、駐車場や駐輪場等の屋外施設の要求が書いてある箇所の近くに「カフェ100㎡」と転記しておくべきです。
さらに、要求室表の面積欄の書き方が、「1室あたり〇〇㎡」と書いてあったり「合計〇〇㎡」と書いてあったりと統一されていない場合は、自分で統一した書き方に書き直しておくことで、ミスを事前に防ぐことができます。
過去問の課題文と解答例を研究する
課題文は誰が見ても同じ意味にとらえられるように注意して作られていますが、それでも、意味が分かりにくい言い回しがたまにあります。
問題演習中にわかりにくい言い回しがでてきた場合は、過去問の課題文と解答例から、課題文での言い回しと、それに対応したプランニングの仕方を研究しましょう。
エスキス のコツ
- 室よりも先に廊下を決める
- 大きい室や、複数の階に影響を及ぼす要素(吹き抜け、階段、屋上庭園等)は先に配置する。また、邪魔にならない位置に配置する。
- 複数の階に影響を及ぼす要素は、各階で同時に検討する
- 建物の外形は可能な限り大きく想定する
- 練習を重ねて小さな気づきを重ねる 等
詳細:【一級建築士 設計製図試験】エスキスを短時間で仕上げるコツ
作図のコツ
- 通り芯は素早く、でも位置はなるべく正確に(後の工程に影響する)
- 下書き線は薄く書けば完成時には目立たないので、丁寧に描く必要はない。通り芯と見分けやすい線で、素早く描く。
- まずは課題文で要求されている、最低限必要なものだけを描く。他は時間が余ったときに印象を上げるために描く。
- 短い線や家具はフリーハンドを併用して描く。どこに定規を使い、どこをフリーハンドで描くか決めておく。
- きれいに書けなくてもよいのでスピード重視。割り切る。
- 平行定規を使うときは、縦の線を一気に書き、その後横の線を一気に書く。(逆でも良い。縦の線、横の線をまとめて書く)
詳細は、量が多いので別記事を後日公開します。
記述のコツ
汎用性高い文言を暗記する
記述は、基本的には暗記で対応します。
どんな設計でも使いやすいような、汎用性の高い文言がありますので、そういった紋甲を優先的に暗記していきましょう。
過去問や参考書などから知識を身につける
いくら暗記といえど、近年の記述問題では、きちんとした知識がなければ解けないような問題(特にイラストを描かせるような問題)が増えています。
過去問の研究や教材、インターネットを活用して、確実に知識を身に着けていきましょう。
聴き流し動画や音声を活用する
最近では、YOUTUBEで一級建築士の記述解答例を聞き流しできるような動画も出ていますので、活用しない手はありません。
「一級建築士 記述 聞き流し」等で検索してみましょう。
見直し時のコツ
見直し①(作図前のチェック)は、要所要所でこまめにしましょう
作図前のチェックを、作図直前にまとめてやろうとすると、ミスが見つかったときに修正に時間がかかる場合が多いです。
エスキス中に要所要所でこまめにやるのがおすすめです。
例えば、基準階の検討直後、ラフプランニングの直後、作図直前等に、複数回に分けてするのがおすすめです。
詳細:一級建築士の製図試験で一発アウトのミスまとめ-気づかないミス多し!-
見直し②(作図後のチェック)のために、見直ししやすいエスキス、課題文マーキングを作成しよう。
作図後のチェック時には、時間に追われている可能性がとても高いです。
短い時間でも確実にチェックできるように、課題文のマーキングは、見直し②でチェックすべき内容が一目でわかるようにマーキングしておきましょう。
また、エスキスにも防火設備(箇所数も分かるように)、特定防火設備 (箇所数も分かるように) 、延焼ライン、断面戦の位置、天井高等をあらかじめ書き込んでおくことで、チェックしやすいように作成しておきましょう。
見直し②(作図後のチェック)で優先的にチェックする内容を決めておきましょう
詳細:一級建築士の製図試験で一発アウトのミスまとめ-気づかないミス多し!-
なんだかんだ、作図前の見直しの方が重要です
見直し①の方が見直し②よりも重要です。
見直し②の段階で大きなミスに気付いても挽回できない場合も多いからです。
どんなに時間がなくても、作図前の見直しの時間は必ず確保しましょう。
製図試験の勉強を始めようとしている人へ【必要な道具】
製図試験の勉強を始める前に、まずは道具をそろえる必要があります。
詳細は以下の記事を参照してください↓
各道具選びのポイントと、あると便利な道具も説明しています。
製図試験の独学はおすすめしない
製図試験を独学で攻略できるのかどうか気になる人もいると思います。
筆者は、製図試験の独学はおすすめしていません。
詳細は、以下の記事を参照してください↓
【詳細】:【一級建築士製図】製図試験の独学はすめしない(ありがちなミスとポイントも紹介)
独学での勉強だと不安がある人には、以下の記事が参考になります。
二級建築士 設計製図試験対策の学校・通信講座選びで悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください。
10万円台で、充実した図面添削が受けられる講座もあります。
まとめ
- 一級建築士製図試験で一番大事なことは、練習と本番で解き方を変えない(毎回同じ解き方で解く)こと
- 自分の解き方を確立し、たくさん練習してその解き方を頭と体に叩き込みましょう
独学での勉強だと不安がある人には、以下の記事が参考になります。
二級建築士 設計製図試験対策の学校・通信講座選びで悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください。
10万円台で、充実した図面添削が受けられる講座もあります。
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