一級建築士の法規を時間内に解くには法令集にマーキングを!

一級建築士学科
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この記事はこのような方に向けて書いています↓

悩めるリス
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一級建築士の法規を時間内に解き切れない!

手っ取り早く解決する方法はないの?

本記事では・・・
  • 一級建築士の法規を時間内に解けるようになるためには、法令集のマーキングが一番手っ取り早い理由を説明します。
  • 法令集の線引きと、マーキングの明確な違いを説明します。
  • 法令集にマーキングしておくべきポイントを、具体的に示します

 この記事の筆者は、2020年の学科試験で105点(125点満点)を獲得し、合格しています。合格点は88点でしたので、17点の余裕をもって合格しています。

 学習期間は1年程度です。

【結論】一級建築士の法規を時間内に解けるようになるためには、法令集のマーキングが一番手っ取り早い

 法規の問題を法令集を引きながら解いていく中で、目立たない法文に気づくことができず読み落としてしまい、点数が下がってしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

 また、法令集を引くときに、調べたい条文がどこにあるのかを探す作業に時間がかかってしまうような人も多いはずです。

 そういったときに必要となるのが、以下の2つです。両方やる必要があります。

  • 法令集の構成(代表的な法文の位置)を覚える。
  • 法令集にマーキングを行う

 法令集の構成(代表的な法文の位置)を覚えることについては、別の記事で紹介しています。

(参照:【一級建築士 法規】法令集の構成を覚えてスピードアップ(法令集の引き方)

 この記事では、法令集のマーキングについて解説します。

 法令集にマーキングをした方が良い理由は以下の3つです。

  1. 文章だとわかりにくい内容の条文を、視覚的にすぐに判断できるようにするため。
  2. 場所が分かりにくい条文を探しやすくするため。
  3. 見落としやすい条文を目立たせるため。

 次章以降で実例付きで解説していきます。

 (全員がマーキングしておくべき法文も実例として紹介します。ぜひ、自分専用の法令集をカスタマイズするときの参考にしてください。)

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

【実例つき解説の前に①】マーキングするときの注意点

 法令集には書き込みしてよい内容と、書き込みしてはいけない内容が、試験元のホームページで公開されています。

 具体的には、以下の項目については書き込みしてもよいことになっています。↓

 他の項目については書き込みできません。良いのか悪いのか判断がつかないような書き込みも、しないようにしましょう。

  1. 目次、見出し及び関連法令・条文等の指示(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)(←基本的には最初から法令集に書いてある
  2. 改正年月日(←ほとんど使わない
  3. アンダーライン(二重線、囲み枠含む)
  4. ○、△、×の記号

参考(外部リンク):(公財)建築技術教育普及センターHP 「試験当日の注意事項」

 また、不必要な部分にまでマーキングしすぎないようにしましょう。

マーキングが多すぎると、逆に読みにくい法例集になってしまいます。

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

【実例つき解説の前に②】マーキングと線引きの違い「マーキングには緑蛍光ペンがおすすめ」

 マーキングと線引きは明確に違います。

 線引きは、読みにくい条文を読みやすくするために、赤と青のペン(フリクションボールペンがおすすめ)を用いて行います。最低限やっておかないと、そもそも法文を読んで理解するのが難しくなります。

 それに対し、マーキングは法令集の読み落としを防止したり、視覚的にわかりやすく分類したりする目的で行います。

 目的が違っているので、マーキングに用いるペンは、線引きに用いたものと異なるものを用いましょう。

 筆者は、緑の蛍光ペンをお勧めします。(別表などを色分けするときは他にも何色か使います)

 理由は、線引きに用いた線と区別しやすく、視覚的にも目立つためです。

 なお、前章に書いた通り、「アンダーライン」は認められていますので、できればマーキングするときも、例↓のように、下線っぽくしたり、囲み枠にした方が無難と思われます。

例:アンダーライン

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

【最低限マーキングすべき個所を紹介】文章だとわかりにくい内容の条文を、視覚的にわかりやすくするためのマーキング

 文字で説明するよりも実例を出した方が早いと思うので、実例を出します。

  • 建築基準法中、建築審査会の同意が必要な許可にマーキング
  • 法別表1 耐火建築物等としなければならない特殊建築物
    (赤は「耐火建築物その他」、黄は「1時間準耐火建築物その他」、青は「準耐火建築物その他」、赤波線は「耐火建築物」、青波線は「準耐火建築物」)
    (1)(ろ)「3階以上の階」→赤
    (1)(は)「200㎡以上」→赤
    (2)(ろ)「3階以上の階」→赤+黄(黄は、(2)(い)の「下宿、共同住宅、寄宿舎」のみ)
    (2)(は)「300㎡以上」→青
    (3)(ろ)「3階以上の階」→黄
    (3)(は)「2000㎡以上」→青
    (4)(ろ)「3階以上の階」→赤
    (4)(は)「500㎡以上」→青
    (5)(は)「200㎡以上」→赤波線
    (5)(に)「1500㎡以上」→青波線
    (6)(ろ)「3階以上の階」→赤波線
    (6)(に)「150㎡以上」→青波線
  • 法別表第2 用途地域内の建築物の制限
    (青は「工業専用地域以外ならどの用途地域でもでも建てられる建築物」、赤は「どの用途地域でも建てられる建築物」)
    (い)のうち、
    住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館、老人ホーム、福祉ホーム→青
    神社、寺院、教会、保育所、公衆浴場、診療所、巡査派出所、公衆電話所→赤
  • 建築基準法施行令第36条2項一号で「除く」とされている規定(複数ページにある)にマーキング
  • 高齢者障害者移動等円滑政令第4条→第4章の特定建築物のうち、第5条で特別特定建築物にも定められているものにはマーキング
  • 都市計画法第8条→第8条の地域地区のうち、第15条で「都市計画を定める者」が「都道府県」となっている地域地区にはマーキング
  • 消防法施行令別表第1→別表第1の防火対象物のうち、消防法施行令第34の4第1項と第2項に示されているものにはマーキング(マーキングしたのは、消防用設備等についての従前の規定が適用除外とならない建築物〔消防法第17条の2の5〕)

 マーキングすることで、法文を読まなくても、一目でどんな規定がかかるのかを判断できるようになります。

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

※試験元で、禁止されている書き込みが公開されています。マーキングの凡例や意味(赤波線:耐火建築物 等)を法令集に書き込むと、違反となる可能性があります。各マーキングの意味は、自分の頭で覚えるようにし、違反となる書き込みを絶対にしないようにしてください。基本的には、法令集に文字を書き込まないのが無難です。

【最低限マーキングすべき個所を紹介】場所が分かりにくい条文を探しやすくするためのマーキング

 調べる機会が比較的少ない条文、「お前、なぜそんな場所にいるの⁉」って感じの条文を探せるようにマーキングしておきます。

 基本的には目次にマーキングします(調べたい条文を目次で見つけて、そのページへ飛ぶ)

 併せて、法文中でいきなり用語の定義が出てくる箇所も、マーキングして目立たせます。(例1:以下、「〇〇」という)(例2:「〇〇」とは、□□なものをいう)

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

場所が分かりにくい(場所を忘れやすい)条文

建築基準法目次

  • 第7条の6(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限)
  • 第21条(大規模の建築物の主要構造部等)
  • 第26条(防火壁等)
  • 第29条(地階における住宅等の居室)
  • 第37条(建築材料の品質)
  • 第51条(卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置)
  • 第86条の7(既存の建築物に対する制限の緩和)
  • 第90条の3(工事中における安全上の措置等に関する計画の届出)
  • 第93条(許可又は確認に関する消防長等の同意等)

建築基準法施行令目次

  • 第9条(建築基準関係規定)
  • 第128条の3(地下街)
  • 第129条の13の2、第129条の13の3(非常用昇降機関係)

高齢者障害者移動等円滑化法目次

  • 第19条(認定特定建築物の容積率の特例)

高齢者障害者移動等円滑化施行令目次

  • 第22条(増築等に関する適用範囲)

建築士法目次

  • 第20条の2(構造設計に関する特例)
  • 第20条の3(設備設計に関する特例)
  • 第24条の3(再委託の制限)

都市計画法目次

  • 第9条(各地域区域の説明)
  • 第13条(都市計画基準)
  • 第2節(都市計画の決定及び変更)
  • 第53条(建築の許可)
  • 第65条(建築等の制限)

都市計画法施行令目次

  • 第23条(開発行為を行うについて協議すべき者)

消防法目次

  • 第17条の2の5(消防設備等についての従前の規定の適用)

法文中にいきなり出てくる用語の定義

建築基準法

  • 第23条:準防火性能
  • 第68条の3:再開発等促進区域
  • 第69条:土地の所有者等

建築基準法施行令

  • 第13条:避難施設等
  • 第19条:児童福祉施設等
  • 第20条の7中の表:住宅等の居室
  • 第108条の3第2項:耐火性能検証法
  • 第108条の3第5項:防火区画検証法
  • 第112条2項:1時間準耐火基準
  • 第126条の2第1項第二号:学校等

都市計画法

  • 第12条の5:開発整備促進区

消防法

  • 第17条の2の5:特定防火対象物

【最低限マーキングすべき個所を紹介】見落としやすい条文を目立たせるためのマーキング

 「ただし〇〇を除く」のような条文は、見落としやすいため、マーキングします

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

建築基準法

  • 第6条2項:全体
  • 第20条1項二号:「その他~政令で定める建築物」
  • 第76条:「過半数の」
  • 第85条2項:「第6条」(←確認申請は”必要”ということ)
  • 第85条5項:「1年以内」
  • 第87条:「建築主事に届け出なければならない」
  • 第88条4項:全体
  • 別表第1 (は)の列の一番上 「(い)欄の用途に供する~床面積の合計」
  • 別表第1 (い)(2):「収容施設があるものに限る」
  • 別表第4 一番下:「この表において、平均地盤面からの高さとは・・・」

建築基準法施行令

  • 第2条1項四号 注釈:令2条3項(算入しない限度)
  • 第2条1項六号 注釈:令2条2項(地盤面)
  • 第20条2項:「(天窓にあっては~0.7を乗じて得た数値)」
  • 第20条の3第1項二号:「調理室」
  • 第20条の3第1項三号:「(調理室を除く)」
  • 第27条:全体
  • 第3章第3節~第6節の2:「(適用の範囲)」の条文
  • 第107条の表:「屋根 30分間」「階段 30分間」
  • 第112条1項:「(スプリンクラー設備~を除く。」、「ただし、次の各号の~この限りでない」
  • 第112条5項:全体
  • 第120条2項:「ただし、15階以上の~この限りでない。」
  • 第120条3項:「15階以上の階」
  • 第120条4項:「共同住宅の住戸」
  • 第121条1項六号:全体
  • 第121条2項:全体
  • 第128条の4第2項:全体を囲み枠で囲む。「(学校用の~除く)」にマーキング
  • 第128条の4第3項:全体を囲み枠で囲む。「(学校用の~除く)」にマーキング
  • 第128っ条の4第4項:「(主要構造部を~除く)」
  • 第128条の5第1項:「高さが1.2m以下の部分を除く」
  • 第128条の5第1項一号:「(3階以上の階に~準不燃材料)」
  • 第136条の2第1項一号 注釈:「令元国交告194第2 1項二号(卸売市場の上屋等)」
  • 第136条の2第1項二号 注釈:「令元国交告194第2 1項二号(卸売市場の上屋等)」

建築士法

  • 第23条の5第1項:「2週間以内」

建築士法施行規則

  • 第21条3項:「15年間」

都市計画法施行令

  • 第1条2項二号:「墓園」

消防法施行令

  • 第11条2項:「主要構造部(~の3倍の数値」、「主要構造部を~2倍の数値」

まとめ

法令集をマーキングすると、以下の3つのメリットがあり、問題を解くスピードの改善につながります。

  1. 文章だとわかりにくい内容の条文を、視覚的にすぐに判断できるようなる
  2. 場所が分かりにくい条文を探しやすくなる
  3. 見落としやすい条文を目立たせることができる

※法例集のマーキング等は、必ず試験元のHPをご確認の上、自己責任で行ってください。

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