二級建築士に独学で合格するための勉強方法を知りたい!
テキストを何冊か試したけど、身に着いている気がしない...
なるべく短期間で二級建築士試験に合格したい
そんな悩みを解決します。
独学で二級建築士試験に合格したいという人は多いですが、合格率約25%の難しい試験のため挫折する人も多いです。
この記事の筆者は一級建築士の資格を持っています。
建築士試験を経験しているため、経験を踏まえた勉強方法を紹介できます。
先に結論を言うと、二級建築士試験の勉強方法は、「ひたすら過去問演習」です。
主に学科試験対策の勉強方法について解説します。
二級建築士の勉強について正しい知識が欲しい人は、ぜひ最後まで読んでください。
独学での勉強だと不安がある人は、以下の記事で通信講座・学校を比較しているので参考にしてください。
10万円以下の通信講座もあります。
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はじめに|二級建築士試験はどんな試験?
二級建築士試験では、建物を設計・監理するために必要となる幅広い知識が出題されます。
二級建築士が設計・監理できる建築物は、
- 小規模な公共建築物(店舗や美術館、学校など)
- 中・小規模な一般建築物
です。
二級建築士試験では、これらの建物を設計・監理するために必要となる幅広い知識が出題されます。
どちらかと言えば広く浅い知識が出題されます。
学科試験と設計・製図試験があるので、それぞれ解説します。
「そんなこと分かってるよ!」という人は、こちらのリンクから本題に飛んでください。(ページ下部に移動します。)
学科試験はどんな試験?
学科試験は、5択問題です。
ほとんどが「誤っている選択肢を選べ」という問題です。
計算問題(計算し、正しい選択肢を選ぶ問題)もあります。
科目は4科目あります。
- 学科Ⅰ(計画):25問
- 学科Ⅱ(法規):25問
- 学科Ⅲ(構造):25問
- 学科Ⅳ(施工):25問
試験時間は、学科Ⅰと学科Ⅱを合わせて3時間、学科Ⅲと学科Ⅳを合わせて3時間です。
基本的には、科目別の合格点が各13点、総得点の合格点が60点以上です。
4科目の科目別の点数と、総得点が両方とも合格点以上になれば、合格できます。
(ただし年によっては合格点が高くなったり低くなったりすることがあります。)
「そんなこと分かってるよ!」という人は、こちらのリンクから本題に飛んでください。(ページ下部に移動します。)
設計製図試験はどんな試験?
二級建築士試験の設計製図試験では、5時間の試験時間の中で、1棟の建物を設計・作図します。
作図した1棟の良し悪しで、合否が決まります。
作図した図面の出来に応じて、ランクⅠ~Ⅳに格付けされ、ランクⅠの人だけが合格です。
ランク | ランクの説明 | 受験生の割合(令和5年度試験結果) |
ランクⅠ | 【合格】 「知識及び技能」を有するもの | 49.9% |
ランクⅡ | 【不合格】 「知識及び技能」が不足しているもの | 5.7% |
ランクⅢ | 【不合格】 「知識及び技能」が著しく不足しているもの | 37.9% |
ランクⅣ | 【不合格】 設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当するもの | 6.5% |
詳しくはこちら↓
参考記事:二級建築士の製図試験に独学で合格できる?コツ・スケジュールは?
二級建築士に短期間で合格するための具体的な勉強方法
結論を言うと、二級建築士試験の勉強方法は、「ひたすら過去問演習」です。
ひたすら過去問演習すれば合格できる理由
二級建築士の学科試験で合格するためには、過去問を何周も解くことが重要です。
二級建築士の学科試験ではほとんどの問題が「5つの選択肢のうち誤っているものを選べ」というものです。
そしてほとんどの問題が、過去問に出題された選択肢(言い回しを変えているものもある)で構成されています。
そのため、過去問を何周も解いて過去問で出題された選択肢についての知識を理解し、覚えることができれば合格することができます。
過去問演習する際のポイント
過去問演習するときのポイントは以下の通りです。
二級建築士の学科試験ではほとんどの問題が「5つの選択肢のうち誤っているものを選べ」というものです。
この場合5つの選択肢のうち4つは正しい選択肢、1つは誤った選択肢です。
普段の勉強では「1問の5択問題」ではなく「5問の〇×問題」だと思って解くことが重要です。
5択問題だと、すべての選択肢の正誤がわからなくても、正解することができます。
つまり5択問題に正解できたとしても、5つのすべての選択肢について理解できていない可能性があります。
理解できていなかった選択肢が、本試験で再出題されてしまう可能性があります。
5つの選択肢の1つ1つを〇×問題だと考えることで、すべての選択肢について理解することにつながります。
×の選択肢については、選択肢をどのように修正したら、〇の選択肢に変えられるかを考えましょう。
〇の選択肢は、正しい知識なので、そのまま覚えてしまいましょう。
〇×が判断できなかった選択肢や、〇×の判断を間違えた選択肢には印をつけておき、1~2週間後にもう1度解いてみることも重要です。
筆者の経験上、間違えた問題のうち半分くらいは、時間をおいて後から解くと、また同じように間違えます。
何度も解いて、頭に刻み込むことが重要です。
テキストを一通り読んでから過去問演習に移っても良い
「問題を解こうとしたけど、聞きなじみのない単語がたくさん出てきて全然解けない」という人は、過去問演習の前に、市販のテキストを一通り読んでみても良いです。
しかし問題を解いてアウトプットしないと知識は身に着かないので、テキストは補助教材程度に使用しましょう。
そして全体像がつかめたら、メインはあくまでも過去問演習にするのがおすすめです。
計算問題の勉強方法
学科Ⅱ(法規)や学科Ⅲ(構造)では、計算問題も出題されます。
よくある出題パターンは、5つある選択肢の中から正しい計算結果を選ぶものです。
計算問題の勉強は、最初は問題集の解説やテキストに載っている公式・解き方を真似してみることから始めましょう。
公式・解き方をある程度覚えたら、実際に過去問を解くことで解き方を身に着けていきます。
二級建築士試験の勉強では、計算問題を解けるようにしておくことは最重要です。
計算問題は解き方さえ覚えてしまえばいろんなパターンの問題に応用できるし、一度解き方を覚えると忘れにくいので、得点源にすることができます。
そのため計算問題は、他の問題よりも優先して早めに取り掛かりましょう。
科目別・問題別の重要度
- 重要度が一番高い:学科Ⅲ(構造)の力学の計算問題、学科Ⅱ(法規)の計算問題(建ぺい率、容積率、高さ制限など)
→一番最初に勉強を始める。満点が取れるレベルに仕上げる。 - 重要度が高い:学科Ⅱ(法規)
→上記の計算問題の次に勉強に取り組む。満点付近を狙う。 - 重要度が普通:学科Ⅰ(計画)、学科Ⅲ(構造)の暗記問題、学科Ⅳ(施工)
計算問題は、暗記問題と比べてバリエーションが多くないので、考え方が身に着いてしまえば、ほぼ確実に得点できます。
また、暗記問題と違い、一度解き方を身に着けたら忘れにくいです。
そのため早目に取り組み、満点が取れるレベルに仕上げておくことが重要です。
学科Ⅱ(法規)は、試験会場に持ち込みできる法令集から出題されます。
そのため法令集の引き方をたくさん練習すれば満点に近い点数が狙えます。
また、法令集の引き方も一度身に着けたら忘れにくいです。
計算問題の次に優先して、勉強に取り組みましょう。
科目別の勉強方法
【学科Ⅰ】計画の勉強法のポイント
- 基本的にはひたすら過去問演習(過去問演習する際のポイントは前述)
- 建築作品に関する知識は、優先度は低めだが、過去問に出題された知識は覚えておくのがおすすめ
- 環境工学の知識は、問題集の解答解説やテキストをよく読んで、原理・原則を正しく理解するのが重要
【学科Ⅱ】法規の勉強法のポイント
- 法令集の線引きは、誰かに頼んでも良いから早めに済ませる
- 見落としやすい部分にマーカーするなど、使いやすい法令集を作りこむことが重要
- 計算問題(容積率、建ぺい率、高さ制限)の解き方など、最低限の項目を暗記する
- 法令集を早く引くために、法令集のどこにどんな法文が書いてあるか、大まかに把握することが重要
【学科Ⅲ】構造の勉強法のポイント
- 構造力学の計算問題は、学科Ⅰ~Ⅳの中でも最重要。
最初は問題集の解答解説やテキストの解き方を真似しながら、同じ問題を繰り返し解いて身に着ける。 - 計算問題以外の問題(暗記問題)に取り組むのは、構造力学の計算問題で満点が取れるレベルになってからの方が効率的。
構造力学の知識・感覚が身に着いた後の方が、暗記問題の知識が身に着きやすい。 - 計算問題以外の問題(暗記問題)の勉強方法は、基本的にはひたすら過去問演習(過去問演習する際のポイントは前述)
【学科Ⅳ】施工の勉強法
- 基本的にはひたすら過去問演習(過去問演習する際のポイントは前述)
- 聞きなじみのない単語がたくさん出てくるので、画像を検索して、絵としてイメージできるようにすることが大切
- 理解が難しいときは、「TAC建築士講師室ブログ(井澤式 建築士試験 比較暗記法)」を読んでみるのもおすすめ。(筆者も試験勉強の時にたくさん読みました。)
参考記事:井澤式 建築士試験 比較暗記法
【設計製図】の勉強法のポイント
- 基本的には通信講座・資格学校・予備校の利用がおすすめ。(添削を必ず受ける。)
- 7月中に作図練習をして、3時間以内に作図を完成できるようになる。早めに作図スピードを上げると、その後の勉強の効率が良くなる。
- 試験時間5時間の中で、エスキスの見直し・作図の見直しの時間を確保できるように、時間管理を身に着ける。
- 資格学校が行う公開模試は積極的に受験する。
苦手科目ができたら
苦手科目ができたら、問題集・テキストに収録されている、難易度が一番簡単な問題を全問正解できるようになるまで繰り返し解くのが効果的です。
多くのテキストには、「重要問題」が収録されています。
また、多くの問題集では、問題が3段階くらいにレベル分けされています。
テキストの「重要問題」や問題集の「一番難易度が低い問題」だけを、「1問の5択問題」ではなく「5問の〇×問題」として解きます。
全問正解できる(全ての選択肢の〇×がわかる)ようになるまで繰り返し解きます。
5択問題には正解できたとしても、5択のうち1つでも〇×が判断できなかった選択肢があったらダメです。
「重要問題」や「一番難易度が低い問題」は、よく出題される基本的な選択肢で構成されているため、これを完璧にするのが点数を上げるための一番の近道です。
模試を受けよう
資格学校等が開催する模試には、講座の受講者ではなくても受験できるものがあります。
必ず利用しましょう。
資格学校の模試は、一般的に問題が本試験より難しめに作られているため、点数が悪くても落ち込まないようにしましょう。
間違えた問題(特に全受験生の正答率が50%を超えているもの)は、あなたの苦手分野ですので、必ず復習して苦手をつぶしましょう。
二級建築士に独学での合格は可能か
学科試験は独学で合格可能
ある程度勉強が得意な人なら、学科試験に独学で合格することも可能です。
大手予備校の受講生は1~2月から勉強を開始するので、遅くとも1月には勉強をスタートし、過去問を確実に理解していきましょう。
また、4月~6月には資格学校による模試が行われますので、受けられる模試はなるべく受けましょう。
独学では不安な人、効率よく短期間で合格したい人には、学校や通信講座の利用がおすすめです。
独学での勉強だと不安がある人は、以下の記事で通信講座・学校を比較しているので参考にしてください。
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製図試験は独学での合格が難しい
学科試験と比べ、設計製図試験の独学は難しいです。
なぜなら、設計製図試験の対策では、添削を受けることが重要だからです。
添削を受けなかったら、法令違反や条件違反に関する知識が不十分なまま、本試験の日を迎えてしまう可能性が高いです。
添削を受けることで、自分では気づけなかった法令違反や条件違反を知ることができます。
添削はココナラ等でも依頼することができますが、信頼できる依頼先を探すのに労力が要ります。
そのため、添削が含まれている通信講座や学校を利用し、プロの添削を受けるのが一番おすすめです。
製図試験の独学について、詳細はこちらの記事をご覧ください。↓
参考記事:二級建築士の製図試験に独学で合格できる?
よくある質問
モチベーションを保つには?
詳細はこちら↓
参考記事:【モチベ維持と時間確保】二級建築士試験の勉強スケジュール
忙しい中でも勉強時間を確保するには?
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参考記事:【モチベ維持と時間確保】二級建築士試験の勉強スケジュール
まとめ
- 二級建築士試験の勉強方法は、「ひたすら過去問演習」
- 普段の勉強では「1問の5択問題」ではなく「5問の〇×問題」として解く
- 選択肢の〇×が判断できなかったときや、間違えたときは、1~2週間後にもう1度解く
- 製図の勉強は、独学ではなく通信講座・資格学校・予備校の利用がおすすめ
独学での勉強だと不安がある人は、以下の記事で通信講座・学校を比較しているので参考にしてください。
10万円以下の通信講座もあります。
- 学科対策:最安46,000円~
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